友禅の伝統

友禅ができるまで

下図・下絵 next next next next next next

1.下図・下絵


下絵青花

縫い上げた仮絵羽に下絵師が描いた下図を下敷きにし、生地に下絵を描きます。露がいまだ残る夏の朝、青花(ツユクサ科の一種)の花を摘み集め、その汁を和紙に浸み込ませた青花の溶液で生地に模様の下図を描きます。この青花は水につけると消える性質から友禅の下絵に用いられています。下絵を描く場合に大切なことは、模様、図柄の勢いを損なわずに生きた絵を描くことです。

2.のり置き


のり糸目・青花散らし

この青花で描かれた下絵の模様にそって筒紙に入れたゴムのりを指先で調節しながら生地にくい込むように置きます。のり置の重要な役目は防染をすること、染料液の浸入をしっかり防ぐことのできるのり置をしておかなければなりません。染料液が外へ出ないよう堤防の役割をする技術です。同時に下絵の若さを引き出す気持ちが大切です、下絵との呼吸がぴったり合わなくてはいけません。通常の呉服に使用されている生地に比べると、駒塩瀬羽二重は非常に厚い生地の為、のりが生地にくい込みにくく、うちかけののり糸目が置けるまでには熟練した技を必要とします。ゴムのりを置いた後、流れる水の中に生地を浸し青花を落とします。


のり伏せ

この青花で描かれた下絵の模様にそって筒紙に入れたゴムのりを指先で調節しながら生地にくい込むように置きます。のり置の重要な役目は防染をすること、染料液の浸入をしっかり防ぐことのできるのり置をしておかなければなりません。染料液が外へ出ないよう堤防の役割をする技術です。同時に下絵の若さを引き出す気持ちが大切です、下絵との呼吸がぴったり合わなくてはいけません。通常の呉服に使用されている生地に比べると、駒塩瀬羽二重は非常に厚い生地の為、のりが生地にくい込みにくく、うちかけののり糸目が置けるまでには熟練した技を必要とします。ゴムのりを置いた後、流れる水の中に生地を浸し青花を落とします。


地入れ

のり伏せした生地の両端に張り木をかけ、のりの置かれた表面を上にして強く引っ張り柱に固定します。生地の裏に竹でつくられた小張伸子を打ち、生地のしわを充分に伸ばします。 そこで地入れをします。この地入れ液は大豆の汁の豆汁にふのり液(海草類系)を混ぜ刷毛で生地に浸透させます。この目的は染料の色に深みをもたせ、むら染めになることを防ぐためです。

3.引き染


引き染

指示書通りに色合わせをし生地の右端から左へ向かって刷毛をすすめ、むら染めにならないよう手早く染めていきます。駒塩瀬羽二重の重い匁づけの生地は染料が浸透しにくく、その上うちかけの地色は一般呉服の色と比べると非常に色が濃く、深く、発色が求められるため、相当の経験と技術を必要とします。


蒸し水元・友禅地入れ

引き染めが終わった生地は乾燥後蒸し行程に入ります。高温百度まで上げた蒸気が大切な役目を果たすのです。蒸気のもつ水分と熱を利用し色をかため、美しい色を引き出すのです。この行程を二回繰り返します。蒸し終わった生地はすみやかに水洗され、でんぷんのりの、伏せのりを洗い流すとゴム糸目のみが残ります。生地の裏に小張伸子を再び打ち、生地を張り、挿し友禅が挿し易いように大豆の汁の豆汁、又はふのり液を刷毛でぬります。この目的は染料の色に深みをもたせ、色が糸目の、のりの外へにじみ出ることを防ぎ、むら染めになることを防ぐためです。

4.色挿し


色合わせ

色合わせは配色を決定づける大切な行程です。作者の求める色を職人と共に一色づつ色合わせをして色を選びます。これが作品にとって最も大切なポイントであり調和なのです。その色の数は時には百色をこえます。


挿し友禅

外堀の仕事がすべて整いますと、一番大切な本丸の仕事です。すなわち挿し友禅です。
作者のおもいを受けとめての色彩感覚が重要となります。指示書にしたがってそれぞれの色を使い分け、それぞれのぼかし染めを進めていきます。堤防の役目の糸目をこえずに美しい仕事を仕上げていく友禅師は友禅の花形なのです。 駒塩瀬羽二重の重いめづけの生地に色を濃く、深く、美しい色を求められる丸章のうちかけの友禅師は、京都の中でも選び抜かれた技の持ち主なのです。地入れされた生地の裏に小張伸子を打ち、生地を張り、持ち易くします、友禅机の下に一定の熱を仕組み、その上で友禅を挿します。友禅の色が定まるために、熱で乾燥させながら進めていくのです。挿し友禅における刷毛使いの技術が大切なのです。この仕事で友禅の出来、不出来が決まるので、この道一筋に生きた職人芸の見せどころなのです。

5.蒸し・水元


蒸し水洗・水元・上のし

京都の代表的甘な暖簾を持つ、蒸し水元、長い伝統と経験の中で培われた木製蒸し箱の中に挿し友禅仕上がったうちかけが蒸されます。高温百度の蒸気が色に命を吹き込み、生地に魂を入れるのです。この蒸しひとつでうちかけが生きてくるのです。蒸された生地は揮発水洗でゴム糸目を落とす行程に廻ります。そして水元です。昔は鴨川の水で友禅ながしをしていましたが、今は秘密の水深地下水を使い、水洗いをしています。この水の質が友禅には大切な役目を果たしているのです。洗われた友禅は自然の風と熱で乾燥させます。京都の風物詩のひとこまです。水や熱を加えられた生地は上のしします。巾や文を直す作業です。

6.加飾・地直し


金彩箔加工

友禅の最高の仕上げの場所…金彩工芸です。本金箔のあじをだすのが名人芸です。
特に丸章のうちかけはこの金彩職人の占める仕事が、「ブランド友禅の丸章」の誇りとなっています。今、世の中に出いる金彩工芸の中で最高級の名人芸は丸章のうちかけだからなのです。その仕事は伝統的に育まれた美に育てられ、今日求めている夢に導かれ、これこそこの道一筋の技の積み重ねがなければできない仕事なのです。

(イ)縁蓋(えんぶた)切り

金彩加工の必要のない場所を伏せる仕事です。生地の上に特殊なテープをはり、小刀にて金彩箔加工を加える場所を切り抜いていきます。この際、大切な生地を切らずにテープのみを切ることの熟練と、模様の活きを殺さず切り抜くことがとても大切です。縁蓋切りの仕上がった生地を台の上にしっかりと伸ばして張ります。この上から特別な漆のりを引きます。絹の生地に金属の金箔を和合させる大切な役目なのです。漆のりを引き終えたらすぐにこの漆のりに触れないようにテープを全面はがし取ります。このまま漆のりが乾くまで自然乾燥します。次に箔型加工を施す前、再度縁蓋切りをします。その上に小紋箔型を置きます。この上から漆のりを引きます。金彩加工の複雑な仕事は、この縁蓋切りの行程を何度も繰り返します。

(ロ)仕上げ切り分け

漆のりが乾いた所で生地を再度、台の上にしっかりと伸ばしてはります、生地の上に特殊なテープを再びばり、金彩箔加工のさまざまな仕事の順番にて、仕事を進めながら切り分け加工を施していきます。金箔の色の種類…、金箔ばり…、小紋箔…、色紙切箔散らし…、振金砂子…、本貝螺鈿…、等さまざまな金彩工芸の技術.がうちかけの格調と豪華さを創るのです。


刺繍

刺繍加工は友禅の仕上がりに.、重量感と豪華さを強調するためにあしらいます。模様の部分に駒繍い、刺し繍いを加えます。


仕上げ

柄の輪郭、花の匂い等を筒に特殊なのりを入れ盛り上げ、箔をはり重ねる盛会加工で仕上げます。松のくし描き等、色盛加工は筒に特殊なのりと色を合わせて筒描きします。
金線描きは、筒に特殊なのりと金を混ぜ友禅染めで表現された模様の糸目をくくっていきます。鶴の仕上げは胡粉(こふん)にて仕上げます。人形の顔、鶴の目等、顔彩にて筆描きします。最後の仕上げですので、何よりも絵心とセンスが大切です。


地直し

この地直しとは長い行程を経たうちかけの、しみや汚れを落とす仕事なのです。整色という色をおさめる大切な仕事なのです。この技術は京都ならではの職人芸です。高度な技術と、豊かな知識、経験が必要とされ、特に丸章のうちかけは一般呉服の品物と違い、色の濃度が深く濃いため、美しく整色できる職人は今京都に一人しかいません。丸章の大切な職人という財産なのです。

7.仕立て


上絵羽

下絵羽の糸目通り模様を合わせて絵羽縫いをします。


裏地合わせ

丸章の裏地は表地と同格のものを使います。その作品に合った色を染めます。上げ豪華さを表現するために、金彩箔型加工を加える事もあります。


裁体・仕立て

丸章のうちかけが縫える磯人は最高の仕立職人です。うちかけ創り最後の仕上げ職人は、花形です。生地の打ち込みが強く、針を通す事でさえ大変なのですが、一針一針に、”気”を入れて縫い上げるのです。